多数の種類がある円錐ウキ。どのウキを買えばいいかわからない!今日はどの円錐ウキを使って釣ればいいのかよくわからない!
そんなあなたにこの記事ではウキ選択の考え方について解説します。
円錐ウキは、主に下記3つの特性があります。この3つの特性を考えて、使用するウキを決定します。
①ウキの浮力
②ウキの形状
③ウキの大きさ
では、それぞれの特性について下記に説明していきます。
①円錐ウキの浮力の選び方
ウキの浮力は、狙う水深と潮流・風の強さによって決定します。
まず、浮力について一般的な結論を話します。仕掛けはできるだけ軽いほうが良い→浮力はできるだけ小さいほうが良いというのが前提になります。この前提ができる理由は、浮力が小さいほうが付けるおもりが軽くなります。おもりが軽いと、魚がサシエを咥えた時に仕掛けの重さを感じにくくなるので餌を離しにくいと一般的に理解されています。筆者の経験でも、人気釣り場のようなシビアなコンデションだと、仕掛けを重くすると小さなアタリは出るものの、サシエを吐き出されてしまう状況があることは筆者も感じています。(チヌや真鯛はオモリが重くても大きな影響はなさそうと感じています)
※浮力が大きくても仕掛けを軽くすれば問題ないのでは?と考える方がおられるかもしれません。浮力が大きいと、浮く力が大きく残るので、魚がサシエを咥えた際に浮力による抵抗を感じて離してしまう可能性が残ります。なので浮力を大きく余らせる、というのもあまりよくありません。
上記で説明した通り、仕掛けは軽いほうが良いという前提がある中で、仕掛けを重くしたい場面が存在します。それは二つ。
A,仕掛けが軽くて、風や潮の流れに負けて仕掛けが海中に入っていかない時
B,狙う水深が深くて、軽い仕掛けだと馴染むまでに長い時間がかかる時
A,は、ウキを沈める等、他にも良い解決方法があります。(別記事予定)が、ウキを沈めてしまってはフカセ釣りの醍醐味であるウキが沈むところが見えなくなるので、筆者はあまり好みません。A,の時は、風や潮の流れに勝つために、仕掛けおもり、落としおもりを追加で打ち、仕掛けを強制的に沈めます。おもりが重くなるので浮力が大きいウキを使いましょう。
B,は、おもりを足す以外に解決方法がありません。仕掛けが軽い場合、狙う水深が深いほど仕掛けが馴染むまで時間がかかり、魚と出会える時間が減ってしまいます。魚と出会える時間が減ると、釣果が落ちます。そんなときは、重いおもりで早く仕掛けを馴染ますために浮力が大きいウキを使いましょう。
では、実際にどんな時にどんな浮力のウキを使うのでしょうか。具体的に筆者の浮力選択の大体の基準を下図に示すのでぜひご参考ください。
※では水深ってどうやったらわかるの?という方がおられると思います。水深の計測方法・初見の場所の水深予測方法は別記事にて作成予定です。
②円錐ウキの形状の選び方
ウキの形状は、大きく分けて通常タイプ、横型タイプ、斜めタイプの3つです。そのうち半遊動仕掛けで使用する通常タイプものを下図のように基本形、上膨れ形、下膨れ形に分けて詳細を解説します。
ウキの形状を説明する上で、まず理解していただきたいことがあります。 すべての性能が高いウキは物理的に存在しないということです。なので海の状況に合わせたウキを選択する必要があります。が、選択が間違っても釣れないとまでは言いません。釣りにくくなることは間違いありませんが・・・
まず、形状で何が変わるか、結論から話します。変わるのは以下の4点です。筆者の感覚による比較表も作成していますので、どうぞご利用ください。各章で性能について詳細に説明します。
a,風への強さ
b,ウキの安定具合(波からの安定具合)
c,余浮力の管理しやすさ
d,魚がくわえた時の抵抗の大きさ
a,風への強さ
風から受ける力は、ウキが風から受ける表面積によって決定し、表面積が少ない≒体積が小さいほど風に強いことになります。風を受けるのは水面より上にある部分ですから、浮いている部分の体積が小さいほど風に強いということになります。下図では、水面から出ているウキの高さは一緒として比較しています。そうすると、最も風に強いのは下膨れ形となります。
b,円錐ウキの安定具合(波からの安定具合)
波に対してどれくらい安定しているかは、重心の位置によります。てこの原理により、重心が下にあるほど波から受ける回転力が小さくなります。最も安定するのは下膨れ形です。
上膨れ形は、反対にウキが傾きやすいということになりますが、上手く使うとウキの傾きから仕掛けの入る角度がわかる場合があるため、サシエ先行状況等、海中の状況がつかめます。これは逆にメリットと考えることもできます。
c,余浮力の管理(微調整)しやすさ
余浮力は、読んで字のごとく余っている浮力で、メーカー、製品ごとに設定値が異なります。余浮力の大きさは、海面より出ているウキの体積で決定します。なので風への抵抗強さと同じ考え方になり、余浮力が小さいのは下膨れ形となります。余浮力が小さいので、浮力を管理(微調整)する際は難しいです。ただし、次章に書きますが、余浮力が少ないことによるメリットもあるため、好む人は良く使っているイメージです。
d,魚がサシエを咥えた時の抵抗の大きさ
魚がサシエを咥えた際、ウキや潮受け部品の抵抗を感じます。これは違和感になり、最悪サシエを吐き出されてしまうのでので抵抗は小さいほど良いです。
また、抵抗が小さいということは、少しの力でウキが動くので感度が良いと考えることもできます。→ 抵抗が小さい≒感度がいいウキ となるわけです。
抵抗の大きさは、余浮力+海水の抵抗(カルマン渦の抵抗)になります。余浮力は、前述したとおり下膨れ形が最も小さく、また、海水の抵抗も下膨れ形が最も小さくなります。
つまり、下膨れ形が最も抵抗が少なく、感度がいいということになります。
※カルマン渦は、物体が空気・水中を動くときや、逆に空気が物体の周りを流れるときに発生する渦で、空気・水の抵抗に関係します。空気抵抗というと、空気が当たる面が重要と感じる方が多いと思いますが、実は空気が逃げる面(後ろの面)のほうが重要なのです。トラックの後部分は直角にスパッとなっていますが、新幹線などなるべく空気抵抗を小さくしたい物は、最後尾の車両には長い傾斜が付いています。あの長い傾斜をつけることで最後尾に発生する空気の薄い部分を減らそうとしています。詳しくは”カルマン渦”や”空気抵抗”で検索すると良いサイトが出てきます。
③円錐ウキの大きさの選び方
ウキの大きさは、視認できるなら基本的には小さいほうが良いです。理由は、ウキが大きいと魚がサシエをくわえた時の抵抗が大きくなり、サシエを吐き出される可能性があるからです。(抵抗の大きさは前章で記載した通り、余浮力とカルマン渦で決定します。)
ウキの大きさは、足元を釣るのか、遠投するかで変わると覚えておきましょう。
まとめ
今回は、円錐ウキの選び方に関する記事でした。
要約すると、
円錐ウキの特性は浮力・形状・大きさの3つあり、全ての特性が良いウキは存在しないので適切に選択する必要があります。各特性の決定方法は以下を考慮しましょう。
・ウキの浮力は、狙う深さと潮・風の強さで決める
・ウキの形状は、潮・風の強さ、抵抗の大きさで決める
・ウキの大きさは、見える限り小さいほうがいい
※筆者の超個人的な所感
浮力はともかく、厳しい状況でない限りウキの形状や大きさは比較的好みで選んでOKだと思います。”とりあえず通常タイプつかおう”でOK。それで釣れないなら特性を合わせたウキに変更する…で良いと正直思います。適切でないウキを使っていると思いながらも釣れるときは多いです。例えば、筆者はどでかいウキを足元に流して真鯛を釣る場合があります。仕掛けをわざわざ変えるのって、時間がもったいないですからね。。。 ただし、釣りにくいときや釣れないときは、しっかり適切なウキを選択しましょうね。