今回はウキフカセ釣りの基本形である半遊動仕掛けを解説します!半遊動仕掛けは扱いやすく、初心者向けですが奥は深いです。今回は基本として、5点説明します。
①半遊動仕掛けとは
②半遊動仕掛けの馴染み方
③仕掛けの理想的な角度
④サシエ先行
⑤ウキ下設定の仕方
を説明します。
①半遊動仕掛けとは
半遊動仕掛けとは、ウキ止め・シモリ玉・ウキを使って、ウキを浮かせ、魚が仕掛けを引っ張った時にウキが沈む仕掛けの事を言います。 下に概略図を載せます。
図1
ウキ止め~針先までの糸の長さを”ウキ下”と呼び、”ウキ下”が刺し餌が漂っている水深と考えて釣りをします。たとえば、ウキ下が5mだとすると、刺し餌は水面から5mの位置にあるはずです。
半遊動仕掛けのメリット
・当たりがあればウキが沈む
・魚が釣れたタナがわかる
・深いタナでの手返しが良い
半遊動仕掛けのデメリット
・ウキが沈む→ウキの抵抗により魚が違和感を感じる
・タナ設定が上手くできないと→釣果が落ちる
・タナ設定が上手くできないと→当たってもウキが沈まない
・浅いタナでは→仕掛けに重量があるのでスレた魚は釣れにくい
②半遊動仕掛けの馴染み方
半遊動仕掛けが、海中でどのように沈んでいくかを表した図を下に示します。
図2
③のウキ止めがウキと連結した時から、魚が餌を食えばウキに反応が出ます。
①~②で出るあたりは、ウキは反応しませんが、ウキ止めの移動する速さが一気に加速したり、止まったりします。これを捉えられるようになっていきましょう。(これがラインであたりを取る、の基本です。ウキ止めが見える範囲ではしっかりウキ止めの動きを観察しましょう。ウキ止めから得られる情報は多いです)
また、半遊動仕掛けは、潮流が速い場面では以下の図のようになり、ウキ下と釣っている水深が大きく変わることがあるので注意しましょう。
図3
上図の右側のような場合を回避するため、下図に示すようにハリスにもオモリを打ちます。これを”仕掛けオモリ”と呼びます。そうすると潮の流れが速くとも、ウキ下≒ハリスをある程度保つことができます。仕掛けオモリがある場合の詳細な馴染み方は次の章で説明します。
図4
仕掛けオモリがある時の馴染み方
前章の図4のような、潮の速い場合には仕掛けオモリを使ってウキ下と釣っている水深をある程度近くします。仕掛けオモリを付けるとどのように馴染むのか詳細を下図で説明します。重いオモリほど沈みが速いので、ウキに近いほうのオモリは重く、針に近いほうのオモリは軽くすることで、ウキに近いほうのオモリから徐々に馴染ませていき、糸のトラブルを未然に防ぐことが基本です。
図5
潮が速い場合でも、ウキ下を伸ばせば深いところを釣れるのでは?と考えたあなたは、いいセンスをお持ちです。より深いところに仕掛けが入る点では、間違いではありません。ですが、仕掛けの角度という概念を考える必要があり、こちらが上手くいかないことが多いです。次の章で説明します。
③仕掛けの理想的な角度
ハリスの角度は、45°程度にすると食いが良くなるというのは様々な人の経験から言われています。(筆者的には10°~55°くらいがいいと思います。)具体的な理由はわかりませんが、これくらいの角度なら、自然に刺し餌が潮に乗ると筆者は理解しています。釣れやすい仕掛けの角度について下図で説明します。
図6
実際に、ハリスが浮いていそうだな~と思ってガン玉を追加すると、その直後に本命が食ってくることは数えきれないくらい経験しています。おそらくこの記事を読んだ貴方も経験すると思います。ただし、80°くらいでも真鯛が食った経験も複数あり。(本流にて)
絶対に角度を守らないと釣れない・・・と言う訳ではないようです。難しいですね。
次の章では、仕掛けの角度の確認方法について記載します。
仕掛けの角度の確認・調整方法
仕掛けの角度を確認するには、経験と慣れが必要でかなり難しい部分ですが、筆者なりにまとめてみました。
◆仕掛け角度の調整が必要になるタイミングについて
自分が流しているウキの流れていく速さが、大人の歩く程度のとき、仕掛け角度が45°を超えてくるので角度調整が必要だという認識です。
もしウキの流れる速さ(浅い部分の潮の速さ)と、刺し餌の流れる速さ(深い部分の潮の速さ)が大きく違うことが分かった場合、別の対応となります。(2枚潮といいます。別記事作成予定)
◆仕掛け角度の確認方法について
・道糸が、海中に入っていく角度を確認します。
・ウキの角度でも判別がつく場合があります。
・視認性が良い潮受け部品でも判別できる場合があります。
図7
ここで、道糸の角度から、ハリスの角度がわかるの?と思う人がいるかもしれません。
結論から言うと、ハリスの角度は正確にはわかりませんが、落としおもりの重さを考慮すると、ある程度情報が出てきます。 下図の例題について考えてみてください。
図8 例題1
下に解答例を出します。
図9 解答例
仕掛けおもりによる微調整をする際、筆者はG4(0.2g),G5(0.16g)をメインで使っています。正直、感覚的に決めています。
また、複数仕掛けおもりを打つ場合もあります。その時はおもり同士の間隔が均等になるように打つのが無難です。
例:仕掛けおもりを2つ打つときは、ハリスの1/3 , 2/3の地点に打つ。
今回は仕掛けの角度を設定する目的で仕掛けおもりの調整を説明しましたが、仕掛けおもりには他にも役割が与えられる場合があります。 (別記事で解説予定です)
④サシエ先行について
ここでは、フカセ釣りの基礎であるサシエ先行について説明します。
理由は諸説ありますが、ウキよりもサシエが潮下にあると釣果が高くなる(サシエ先行)ことが経験的に知られています。具体的な状態は下図を確認ください。
ウキ先行がなぜ良くないのか、筆者の考えを3点説明します。
①ウキ先行の時は、サシエがウキに引っ張られる形となるので、撒き餌と違う方向へ流れていく可能性が高まります。
②ウキ先行の時は、サシエがウキに引っ張られる形となるので、魚が餌を咥えた際、ウキに引っ張られ違和感を感じます。この違和感でスレた魚は餌を離すでしょう。
③ウキ先行の時は、魚が捕食して反転した際、糸がたるんで当たりが出ません。
下図にて②、③を説明しているので確認ください。
一方、サシエ先行の時は、前述した①、②、③が発生しません。下の文章と図を確認ください。
①´サシエ先行の時は、サシエがウキに引っ張られる形となるので、撒き餌と違う方向へ流れていく可能性は低い。(ウキにより多少ブレーキはかかりますが)
②´サシエ先行の時は、サシエがウキに引っ張られる形となるので、魚が餌を咥えた際、糸は緩む方向になりウキの違和感は感じません。
③´サシエ先行の時は、魚が捕食して反転した際、糸が一直線になりウキに反応が出ます。
⑤ウキ下(タナ)の設定の基本
半遊動釣りにおいて、ウキ下の設定方法は最重要科目の一つです。難しくはないのでしっかり学んでいきましょう。
タナを判断するためには“ウキに当たりがなくてサシエがとられているかどうか”で決めます。
・ウキに当たりがなく、サシエがとられていない
→魚と出会えていないと判断し、ウキ下を長くします。(仕掛けをより遠くまで流して魚を探すという判断もあり)
・ウキに当たりがないが、サシエがとられている
→ウキ止めとウキが接触する前に捕食されていると判断し、ウキ下を短くします。
それぞれの状況の海中イメージ図を下に示します。
水深の測り方(ウキ下の初期設定)
フカセ釣り(特にチヌ狙い)にとって、水深の計測は非常に大事です。
なぜなら、魚は海底もしくは海底の根にいる場合が多いからです。
水深を適切に計測し、仕掛けを海底に届けましょう!
水深の測り方は、以下の通りです
準備するもの:完成した仕掛け, ウキより重いゴム管おもり
まとめ
本記事では、半遊動仕掛けを使用するにあたり、5つの基本を解説しました。
①半遊動仕掛けとは
②半遊動仕掛けの馴染み方
③仕掛けの理想的な角度
④サシエ先行
⑤ウキ下設定の仕方
これ以外にもテクニックはあるので、また別記事に書いていこうと思います。