これからフカセ釣りを始めてみたい人のために道具の選定方法を解説します。
今回は下図に書いてある仕掛け関係の道具を解説します。仕掛けの種類は大きく分けると固定仕掛け、半誘導仕掛け、全誘導仕掛け、の3種類になりますが、ここではオールラウンドかつ初心者向きな半誘導に絞って道具の選定を解説していきます。このページでは専門用語をそのまま使っています。意味がわからない用語があれば、別途その部品の解説ページを参照ください。(現在作成中です。)
磯竿
みんな大好き釣り竿です。価格帯は1万円前後~数十万円までありますが、初心者さんは安い竿が吉。高い竿なら快適に釣りができることは間違いありませんが、安い竿でも魚は十分獲れます。
◆価格帯について
初心者さんが磯竿を使う場合、竿は必ず折ることになります。しかも何回も。磯竿が折れることを前提に、最安クラスの価格帯1万円~2万円前後を推奨します。磯竿の扱いに慣れてきたらもう少し良いものを購入しましょう。(竿の折損対策として竿を折った事例と対策集を別記事にあげる予定です。)
◆磯竿の硬さ・長さについて
1.5号-530 の磯竿がおすすめです。基本的にどの釣り場でも使用できるオールラウンダーです。これを使えば大きな間違いはありません。
コミュニケーション力がある方は、何の魚がどれくらいの大きさまで釣れるのか釣具屋さんの店員に聞いてみて、竿の号数などを選択してもいいです。釣れる魚の大きさとおすすめの竿の号数の関係をまとめた図を確認ください(後で記事作成予定)
◆竿のメーカーについて
基本的にはメーカーにこだわる必要ありません。マイナーメーカーでも価格相応の性能があります。デザインや予算と相談でよいです。
◆筆者の経験と所感
筆者は4人ぐらいにフカセ釣りを教えた経験があります。4人とも1年以内に最低1回は竿を折っています。中には始めたてなのに7万円程度の磯竿を買い、何回も竿を折る事態も発生しました。その経験から、はじめは安い磯竿を買うことを推奨します。お金に余裕があるなら高いリールを買う方にお金を回すほうが無難です。
リール
◆リールの大きさ・糸巻量について
2.5号の道糸を150m巻けるレバーブレーキリールがオールラウンドに使用できるのでお勧めです。
→メーカーによりますが2000番~3000番クラスのリールを購入することになります。糸巻量はリールに書いてあるのでしっかり確認して購入しましょう。
◆リールのメーカーについて
個人的には、ダイワ・シマノ等の国内大手メーカーを推奨します。マイナーなメーカーはギヤのかみ合わせなど、部品の工作精度があまり良くない場合があります(筆者の経験談)
※別のリールがある等、安くフカセ釣りを始めたい人は、レバーがない普通のリールでも良いです。(ただし、レバーがない分色々劣る場面あり。詳細は作成予定の別記事へ)
◆価格帯について
レバーブレーキリールの入門クラス(2~3万円程度)で問題なく使えます。耐久性は多少劣りますが、海に落とさない限りは10年程度は使えます。性能も十分高いです。
◆筆者の経験と所感
リールは、海に落とさない限り壊れることはほぼないと考えてよいです。壊れるときは、どでかい魚が掛かってリールを壊される場合くらいです。基本的に長く使うことができます。予算が許せばミドルレンジ(5万円程度)の高いものを購入してよいです。
道糸
◆材質について
ナイロン一択です。初心者が一番扱いやすい上に、ベテランも大勢使っています。
◆比重について
サスペンド(海水に漂う)を推奨します。近年はフロート(海水に浮く)が流行っているようですが、風に弱い、深場を釣る際に道糸の浮力により仕掛けの入る速度が一定でないという問題があり、初心者では対応が苦しくなる場合がでます。サスペンドがオールラウンドで扱いやすいです。
◆色について
道糸は釣り中に視認する必要があるので見やすい色をお勧めします。蛍光グリーンや蛍光オレンジなどが特におすすめです。
◆価格帯について
ミドル以上のモデル(150m巻で1000円~3000円程度)で問題ありません。
※エントリーモデル(500m巻きで800円程度)は、耐久性が低いです。使うなら1回使って全部糸を巻き替えるくらいの気持ちが必要です。
◆メーカーについて
SUNLINEをお勧めしたいです。個人的に一番信頼している糸メーカーです。国内の大手メーカーでも、ブチブチ切れるような糸を販売している会社があります。ちゃんと品質検査してるのかなあ…
◆糸の太さについて
太さは釣れる魚によりますが、情報がなければ2.5号の太さを使用しましょう。不意に大物が来ても勝負ができます。
ウキ止め
◆ウキ止めを結べるかどうか
ウキ止め糸を自力で結べない方は、道糸を穴に通すだけで使えるウキ止めを購入しましょう。結べるようであれば、スプールにウキ止め糸が巻いてあるものを買いましょう。(ウキ止めの結び方は難しくありません。別記事にする予定です)
◆色について
ウキ止め糸の色は、道糸と色が全く違う色を選びましょう。(ウキ止めが見つけやすく使いやすいです)
◆価格について
どの価格でも構いません。よくできている製品が多いです。
シモリ玉
◆大きさについて
シモリ玉の穴の大きさが道糸の適正号数に入っていれば良いです。 適正号数はパッケージに表記されていることが多いです。
◆その他について
気に入ったもの、安いもので大丈夫です。
ウキ
上写真のような円錐ウキタイプを使用しましょう。棒ウキは仕掛けが絡みやすく、仕掛けを投げるときにちょっとしたテクニックが必要です。(サミングというテクニックです。別記事解説にて解説予定)
◆価格帯について
800円以上で、個包装されているものを使用しましょう。安いものは浮力の精度が悪い場合があり釣れる潮に乗れないなど、色々悪影響が出る可能性があります。この可能性を排除したいからです。
◆ウキの形状について
無難などんぐり型を推奨します(上記写真中央のような形状です)。が、気に入った塗装、形状のものがあればそれを使用して問題ありません。(ただし下図のような、横型・斜め型のウキは不可)
◆ウキの浮力について
釣り場によりますが、
・グレが釣れる釣り場であれば、G2 B 3B サイズはM
・チヌが釣れる釣り場であれば、B 3B 5B サイズはM 5BのサイズLでもOK
・瀬戸内海など流れの速い場所、水深のある場所であれば、3B 5B 1号。
3Bと5BのサイズはM。1号のサイズはLを準備しましょう。
また、予算が許すならそれぞれの浮力のウキが2個あると無くしたときにも安心です。
潮受け部品
仕掛けを絡みにくくする・ウキとオモリの間のクッション・底潮をつかむ・仕掛けが沈んでいくか確認できる等、様々な機能があり、色々な製品・特長があります。まずは普通の”からまんぼう”から使うとよいでしょう。
◆色について
色は、道糸と全く違う色にしましょう。見やすくて良いです。
◆サイズについて
最初は中でOKです。
◆価格帯について
特に指定ありません。
ガン玉(落としおもり、仕掛けおもり)
仕掛けを沈める・仕掛けの角度を調整する等の役割があります。
◆サイズ(重さ)について
落としおもり:準備したウキの浮力と同じ重さを準備しましょう。
仕掛けおもり:G4(0.20g),G5(0.16g)を準備しましょう。
◆価格について
個包装されていれば安いものでよいです。
サルカン(スイベル、ヨリモドシ)
サルカンは、複数の呼ばれ方をします。呼び方によって適正サイズが変わるので注意しましょう。
◆サイズについて
ヨリモドシ表記であれば、16号程度。
スイベル表記であれば、9号程度。(上記写真はスイベルの8号です)
◆メーカーについて
なんでもOKです。力がかかる部分ですが、サルカンが破断した経験はありません。
◆価格帯について
なんでもOKです。
ハリス
初心者さんは魚とのヤリトリがうまくできず、ハリスが海中の根とこすれる可能性が高いです。少しでも良いハリスを使用したいところです。
◆糸の太さについて
太さは釣れる魚によりますが、情報がなければ1.5~2号の太さを使用しましょう。
道糸の太さより0.5号程度細い糸を使うのが無難です。
◆針を結べるかどうか
針を結ぶことが難しい場合、ハリスと針があらかじめ結んである製品がありますので、こちらを使用しても問題ありません。(上記写真には載っていません。)その場合、ハリスが長いものを購入しましょう。ちなみに、結構割高になります。
◆メーカーについて
お勧めメーカーは、SUNLINE。品質が良いし、ハズレのロットにあたったことがないです。一番信頼しています。(上記写真も全てSUNLINE製です。)
◆価格帯について
ミドル、できればハイエンドクラスのハリスを購入しましょう。(50m巻で1500円~2500円程度)。
針
対象魚、針の大きさ、針の形状、針の色等・・・めちゃくちゃ種類があります。要点を絞って説明します。
◆針の形状・大きさについて
釣れる魚に合わせましょう。→チヌ針、グレ針になる場合がほとんどだと思います。
チヌ針は、2号と3号
グレ針は、5号と7号
があれば十分です。
釣れる魚の情報がないなら、チヌ針を準備しましょう。
◆瞬間接着剤使用を推奨している針について
パッケージの裏面に、針を結んだ後、瞬間接着剤を付けることを推奨している製品があります。これを選ぶと瞬間接着剤使用が必須になるものがあるので選ばないほうが無難です。(瞬間接着剤を使うことが苦にならなければ使用しても問題ありません)
◆その他の性能について
・針の色は気に入ったもので良いです。針の色で釣れたという話は聞いた記憶がないです。
・現状では遠投、鋭いなどの特徴を持たした製品でなくても大丈夫です。(気に入ったなら使っても良いですが、少し価格が高めです)フカセ釣りがわかり始めたら状況に合わせて特徴のある製品を使用していきましょう。
まとめ
仕掛け(タックル)を初めて購入する方にお勧めの選び方を紹介しました。
部品点数がかなり多いですが、この記事を読めば、価格を抑えつつも要点を捉えたタックルになっているはずです。ぜひご参考ください。